花粉症と関節

毎年、花粉が飛散するシーズンになると発症する花粉症。 日本で花粉症に悩まされている人の割合は、10%とも20%とも言われています。 マスクを常用したり、注射によって症状を軽減したりと、様々な対策がとられています。 また、新しい花粉対策グッズが次々と開発されています。 しかし、これらの対策を行っても十分な効果が得られないケースがあるようです。

花粉症のメカニズムは、人体の免疫機構に関わっているとされています。 すなわち、体内に侵入してくる花粉が異物と認識され、これを体外に排出しようとしてくしゃみ、 鼻水といったアレルギー反応が引き起こされるというものです。

この免疫機構に直接働きかける治療、すなわち根本的な治療については、 今後の医学の発展を待たねばなりません。 それでは、医薬品を使わずに花粉症のつらさから解放される方策は無いのでしょうか。

実は花粉症の軽減には、肩関節、胸鎖関節、頸椎などにおけるズレを治し、 首の周りの筋肉をゆるめることが有効なのです。 なぜならば、首の周りの筋肉の緊張とそれに伴うリンパの滞留は、花粉症の症状を促進するからです。 例えば、頚部にある胸鎖乳突筋は、胸鎖関節(図1)がずれて左右の間隔が狭くなっていると緊張しやすい筋肉です。 また、肩鎖関節(図1)のズレは、鎖骨を経由して胸鎖関節に悪影響を及ぼします。

図1

夜、無意識にバンザイをして寝ているとしたら、肩関節に異状が生じているサインであり、 このような時には花粉症の症状が出やすくなります。 また、背中が丸まったうつむき加減の姿勢を続けていると左右の胸鎖関節の間隔が狭くなり、 首周りの筋肉が緊張してしまいます。このようなケースでは花粉症のほか、 痰がからみやすくなったり息苦しさを感じやすくなります。

これらの知見と経験に基づき、当院では、花粉症の症状を軽減させる施術を行っています。 これは免疫機構に働きかけるわけではなく、肩関節、肩鎖関節、胸鎖関節、頸椎を整え、 さらに首周りの筋肉をゆるめることで咽喉部への圧迫を減少させるというアプローチです。 この施術を数回行うことにより、多くの効果を上げています。

花粉症をお持ちの方で、既存の治療では効果が得られていない方は、是非ご相談ください。

(*ご自分でできる体操として、 「胸鎖関節のストレッチ」をご参照ください。)